昭和館

資料公開コーナー

第98回【資料公開コーナー】「食卓からみた昭和」

令和7年10月1日(水)~12月27日(土)

「灯火管制下での夕食」
 
東京都港区青山
昭和20年(1945)1月頃
菊池俊吉 撮影

 1926年12月25日に幕を開けた昭和時代は、恐慌という深刻な不況から戦争へと突き進み、戦後復興を経て高度経済成長を遂げた激動の時代でした。その目まぐるしい時代の変化は食生活にも表れ、家族団らんの象徴である食卓には当時の世相や流行を映したさまざまな料理が並びました。
 昭和初期には家庭料理として和洋折衷料理が取り入れられ始め、戦時中は国による食糧管理体制のもと、主食である米の消費を抑えるために節米料理が奨励されました。戦後になると米軍からもたらされた食材や食文化の影響を受け洋食が普及し、家庭の食卓に定着していきます。
 これらの料理の普及に一役買っていたのが、明治期から大正期にかけて誕生した『主婦之友』や『婦人倶楽部』といった婦人雑誌です。毎号に料理のレシピが掲載され、台所をあずかる主婦を通して家庭の食卓へ影響を与えました。
 昭和元年から100年を迎えるにあたり、昭和館で所蔵する婦人雑誌を中心に戦前から戦後までの家庭料理の変遷やトピックをご紹介します。

展示内容
〈図書・雑誌資料11点〉
1.『主婦之友』第22巻第12号 昭和13年(1938)12月 主婦之友社 (一部複製)
2.『婦人倶楽部』第25巻第6号 昭和19年(1944)6月 大日本雄弁会講談社(複製)
3.『婦人倶楽部』第25巻第8号 昭和19年(1944)8月 大日本雄弁会講談社 (複製)
4.『婦人倶楽部』第14巻第9号 附録 昭和8年(1933)9月 大日本雄弁会講談社
5.『写真週報』第53号 昭和14年(1939)2月22日 内閣印刷局
6.『婦人倶楽部』第22巻第6号 昭和16年(1941)6月 大日本雄弁会講談社
7.『家の光』第20巻第10号 昭和19年(1944)10月 産業組合中央会
8.『主婦と生活』第1巻第5号 昭和21年(1946)9月 主婦と生活社
9.『パンの上手な作り方と食べ方』昭和22年(1947)9月 主婦之友社
10.『婦人倶楽部』第30巻第6号 附録 昭和24年(1949)6月 大日本雄弁会講談社
11.『家庭画報』第5巻第12号 昭和37年(1962)年12月 世界文化社

〈写真資料5点〉
1.「東京下町のサラリーマン家庭の食卓」東京都 昭和15年(1940)10月5日 藤本四八撮影 公益社団法人日本写真家協会(JPS)提供
2.「国民食の指導(国民食学習)」昭和15年(1940)
3.「灯火管制下での夕食」東京都港区青山 昭和20年(1945)1月頃 菊池俊吉撮影
4.「共同部屋での食事の様子」昭和21年(1946)6月27日 米国国立公文書館提供
5.「日本住宅公団金岡団地のダイニングキッチン」大阪府堺市 昭和31年(1956) 都市基盤整備公団提供

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