昭和館

巡回特別企画展

戦後80年 昭和館・大和ミュージアム合同企画展
再現展示『この世界の片隅に』~よみがえる昭和の情景~

この企画展は令和7年5月30日~6月5日に開催され、好評の内に終了しました。

 昭和館は、戦中・戦後に国民が経験した労苦を後世代に伝えるため、昭和10年頃から昭和30年代までの歴史的資料を収集、保存、展示する施設です。
 当館は平成13年(2001)から全国各地で巡回特別企画展を実施してきました。戦後80年を迎えるにあたり、広島県広島市において大和ミュージアムと合同して、企画展を開催する運びとなりました。
 本企画展において、昭和館は、広島県呉市を舞台とした漫画『この世界の片隅に』に登場する人物や風景、当時のくらしに関わる実物資料を使った再現展示を試みます。原作者のこうの史代さんが漫画を描く際に参考にした実物資料や「残飯雑炊」の復元品など、作品の中に登場するアイテムが多数展示されます。漫画の世界観を立体的に感じていただければ幸いです。
 大和ミュージアムは、明治以降の日本の近代化の歴史そのものである「呉の歴史」と、その近代化の礎となった造船、製鋼を始めとした各種の「科学技術」を紹介する施設です。大和ミュージアムは今年で開館20周年を迎えますが、大規模リニューアルのために現在は休館しています。そのため、ご覧いただけない常設展示室の資料や初公開資料などを展示します。
 さきの大戦終結から80年という節目の年を迎え、戦争展示を担う2つの博物館がそれぞれの切り口で昭和の時代を展示・紹介します。

タイトル戦後80年 昭和館・大和ミュージアム合同企画展
再現展示『この世界の片隅に』~よみがえる昭和の情景~
会期令和7年5月30日(金)~6月5日(木)
時間午前10時~午後5時
会場JMSアステールプラザ 1階市民ギャラリー
所在地広島県広島市中区加古町4-17
入場料無料
主催昭和館
共催呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
後援       広島県、広島県教育委員会、広島市、広島市教育委員会、呉市、呉市教育委員会、中国新聞社、NHK広島放送局、中国放送、広島テレビ、テレビ新広島、広島ホームテレビ、ちゅピCOM、FMちゅーピー76.6MHz、広島エフエム放送
協力一般財団法人広島県遺族会および日本遺族会第4ブロック
企画協力株式会社コアミックス
詳細【広島県開催】チラシ

展示資料点数: 実物・写真・映像・漫画グラフィック あわせて 約120点

昭和館「再現展示『この世界の片隅に』~よみがえる昭和の情景~」
≪展示構成≫

『この世界の片隅に 新装版』下巻 カバー絵 ©こうの史代/コアミックス

Ⅰ.冬の記憶・大潮の頃・波のうさぎ ~昭和9年から昭和13年まで~

浦野すず(尋常小学校6年)12歳
 本作品の主人公。大正14年(1925)生まれ、広島市江波出身。
実家は海苔漉きを営む。おっとりした性格で、絵を描くことが大好きな少女。
「波のうさぎ(13年2月)」より 
©こうの史代/コアミックス

Ⅱ.この世界の片隅に ~昭和18年12月から昭和19年7月まで~

            
「この世界の片隅に 第7回 19年4月」より ©こうの史代/コアミックス

灰ヶ峰から戦艦「大和」を眺めるすずと周作
 昭和19年4月17日、改装と公試運転を終えた戦艦「大和」が呉港に入港した。灰ヶ峰の中腹にある段々畑で呉港を眺めるすずと周作。「大和」の大きさに驚くすずに対して、周作は「お帰り」言うたってくれ、と声をかけた。

Ⅲ.この世界の片隅に ~昭和19年7月から昭和20年4月まで~

国策水彩絵具
 レートン絵具株式会社が発売した固形水彩絵の具。筆に水を含ませ、絵の具の表面を溶かして紙に着色する。公定価格(マル公)の表示が貼られている。
                        昭和15年(1940)以降
戦艦「大和」乗組員からのはがき
 国民学校の児童が慰問状の返事として受け取ったはがき。戦地の兵士へ慰問の手紙を送ったところ、当時連合艦隊の旗艦であった戦艦「大和」の乗組員から返事が届いた。
                    昭和17年(1942)から昭和18年頃

 

「この世界の片隅に 第23回 20年正月」より
 ©こうの史代/コアミックス
アイコクイロハカルタ
 国民学校の児童を対象とし、遊びながら愛国心を育むことを企図したカルタ。内閣情報局認定、日本少国民文化協会が制定した。読み札の句は、約26万の応募の中から選ばれた。
                       昭和18年(1943)12月
                        

Ⅳ.この世界の片隅に ~昭和20年4月から昭和21年1月まで~

「この世界の片隅に 第37回 20年8月」より
©こうの史代/コアミックス

呉からみたきのこ雲
 呉市若葉町にあった呉海軍工廠砲熕実験部(現・海上保安大学校)から撮影された原爆のきのこ雲。                
           昭和20年(1945)8月6日                                     
               個人蔵
原爆瓦
 爆心地付近、原爆ドーム(広島県産業奨励館)横にあった西蓮寺の屋根瓦。熱線の直射を受けて表面が溶解し、泡状に固まっている。この瓦は西蓮寺住職から檀家に贈られたもの。
               昭和20年(1945)

 

みどころ  こうの史代さんの原画を展示

「広島県呉市 ある家族の団らん」
 広島県呉市は、当時東洋一の軍港といわれていました。現在でも戦艦「大和」を建造したまちとして知られています。軍港のまち呉に住むある家族の団らんが、戦中・戦後を通してどのように変化していくのかを、漫画家こうの史代さんの原画イラストで紹介します。

昭和12年(1937)頃
 この年の7月に盧溝橋事件がおき、日中戦争が始まりました。戦争の影響は子どもたちの遊びにも現れてきます。兵隊ごっこが大人気。いろはかるたには「陸奥と長門は日本の誇り」と謳われたように、海軍の軍艦は子どもたちの憧れの的でした。
昭和20年(1945)
 呉軍港を中心に、米軍は度重なる空襲を実施しました。7月になると、市街地にも空襲が及びました。呉で暮らす人たちは、灯火管制の下で、頻繁に鳴り続ける警戒警報を聞きながら、空襲に備えました。

お問い合わせ

〒102-0074 東京都千代田九段南1-6-1 昭和館 学芸部
TEL.03-3222-2577

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