昭和館

特別企画展

双六でたどる戦中・戦後

この特別企画展は平成28年3月19日(土)~5月8日(日)に開催され、好評の内に終了しました。

開催主旨

このたび昭和館では「双六でたどる戦中・戦後」と題して、特別企画展を開催することとなりました。
双六は江戸時代に老若男女が正月に楽しむ遊びとして定着し、明治・大正時代には印刷技術の発達により、雑誌の正月号の附録として定番化しました。
 毎年のように発行される双六は遊び道具であるにもかかわらず、その内容や絵柄などに当時の社会情勢や風俗・流行が取り入れられました。子どもたちへの教育的内容や、憧れ、国内外の様子などを描いたものが、戦争が始まる昭和12 年(1937)頃から次第に、兵隊などが描かれるようになり、やがて戦争一色の内容になっていきました。
 戦後は一変して、世界の子ども達の友好や科学進歩などを紹介した平和的な内容や、人気キャラクターを描いた双六が主流となりました。
 本展では、昭和館が所蔵する戦中・戦後の双六のなかから130 点をテーマに分け、時代の変化を紹介し、併せて双六に関連する実物資料なども展示します。

主催昭和館
会期平成28年3月19日(土)~5月8日(日)※4月11日(月)資料交換日
【第1期 : 時局・教育・広告を中心に 平成28年3月19日 (土)~4月10日(日)】
【第2期 : 憧れ 流行り物を中心 平成28年4月12日 (火) ~ 5月8日 (日)】
会場昭和館3階 特別企画展会場
入場料特別企画展は無料(常設展示室は有料。)
イベント(1)ミニ展示会5月1日(日) 10:30~17:00 ※講演会あり
(2)昭和の体験イベント4月2日(土)・3日(日)11:00~15:30
(3)展示解説3月26日(土)・4月30日(土)14:00~(約45分)
(4)早廻り昭和館双六クイズ      開催期間中

イベント

終了しました

(1)ミニ展示会

第一期「双六でたどる戦中・戦後 時局・教育・広告を中心に」で展示した双六資料を厳選して、1 日だけの展示会を開催する。なお同日講演会を開催する。

期日5月1日(日)10:30~17:00
場所九段生涯学習館 2階九段ギャラリー
時間14:00~15:00 講演会 ※定員60名(事前申込み制)
講師山本正勝氏 「すごろく」と世相

(申込み方法)
参加を希望される方は(1)電話(2)Eメール(3)昭和館1 階総合受付のいずれかの方法で、
申込みをして下さい。
なお、Eメールで申し込まれる方は、(1)氏名(2)ふりがな(3)参加人数をご記入下さい。

(申込み先)
昭和館 学芸部 ℡ 03-3222-2577 アドレス:gakugei*showakan.go.jp(送信の際は「*」を「@」に変えてください)
※受付番号を発行しますので、当日昭和館1階総合受付までお越し下さい。会場まで御誘導します。

(2)昭和の体験イベント

ポン菓子、大道芸、ちんどん屋、大双六や昭和の遊び等を中心としたイベントを行う。

期日4月2日(土)・4月3日(日)11:00~15:30
場所昭和館2階ひろば

(3)展示解説

担当者による、展示解説を行う。

期日3月26日(土)・4月30日(土)14:00~(約45分)
場所昭和館3階特別企画展会場

(4)早廻り昭和館双六クイズ

クイズを解きながら、昭和館内を廻り、ゴールを目指す。
ゴールした参加者には、昭和館グッズをプレゼント!

期日特別企画展開催期間中 10:00~17:00
場所昭和館3階特別企画展会場受付で受付

展示構成

【第1期 : 時局・教育 広告を中心に】 平成28年3月19日 (土)~4月10日 (日)

印刷技術の発達によって、 大量印刷が可能になったことにより、双六はその年の時局や流行を取り入れて発行された。ここでは特に、「社会情勢」「求められた子ども像」「商業広告」を中心にした双六を紹介する。

  1. 双六の歴史
  2. 社会情勢

愛国婦人双六

 昭和9 年(1934)5 月5 日発行 愛国婦人会
愛国婦人会が発行した双六。同会は明治34 年(1901)創立され、戦死者遺族及び傷痍軍人救護やその他一般社会事業に貢献することを目的としていた。日露戦争をきっかけに発展し、大正8年(1919)末には会員数が100万人を超えた。
 この中で「軍事救護」をはじめとした会の活動を紹介しており、双六という遊びを通して組織の普及啓蒙を図ったものである。

世界平和すごろく

 昭和27年(1952)1月1日発行 『中学英語3rd』新年号附録 研究社出版株式会社
 昭和26年(1951)9月、サンフランシスコにおいて連合国と日本との平和条約が全権委員により調印されたことにより制作された双六。この年の4月に発効し、正式に連合国との戦争状態は終結した。

3.理想の子ども像

コドモトナリグミ双六

 昭和15年(1940)以降発行
 子どもの日々の生活の様子を描いた双六。その中には、「バウクウガウ」(防空壕掘り)、「ミハリ」(対空監視)、「ハイヒン」(資源回収)等の戦争への協力に関する事柄も含まれている。

4. 商業広告

梅田娯楽街双六

 昭和25年(1950)12月16日発行 梅田劇場宣伝係
 大阪・梅田の映画館が制作した双六。新年の封切映画作品や近隣の商店が双六の形式で紹介されている。

テーマ展示 出征/テーマ展示 終戦前後の双六/テーマ展示 玩具の版元

【第2期:憧れ・流行り物を中心に】 平成28年4月12日(火)~5月8日(日)

 印刷技術の発達によって、大量印刷が可能になったことにより、双六はその年の時局や流行を取り入れて発行された。ここでは特に、「旅行」「乗り物・科学技術」「流行り物」「スポーツ・冒険」を中心にした双六を紹介する。

  1. 双六の歴史
  2. 旅行

世界一周大飛行双六

 昭和14年(1939)発行 東京日日新聞社
 東京日日新聞(現・毎日新聞)機のニッポン号による飛行予定ルートが描かれた双六。実際には昭和14年(1939)8月26日に羽田飛行場を離陸し、世界一周を果たし10月21日に帰着した。

3. 乗り物・科学技術

科学力時代双六

 昭和24年(1949) 1月1日発行 『中学生の友』新年号附録・案:植原路郎・画:小川哲男 小学館
 来るべき将来の「科学力時代」に登場するであろうという事柄を描いた双六。今日の視点から見ると、「時速二百キロの弾丸列車」「テレヴィ電話」など、実現し日常のものとなっているものも含まれている。

4. 流行り物

昭和桃太郎双六

 昭和8年(1933)1月1日発行 『尋常二年優等生』第七巻第一号附録・案:博英社優等生編集部・画:中西称吾 博英社
 古典の桃太郎に題材をとった双六だが、鬼退治として戦地で戦う様子が描かれている。前年昭和7年(1932)に起こった第一次上海事変における「ばくだん三ゆうし」(爆弾三勇士)が描かれている。

映画双六

 昭和26年(1951)発行 カゴメ玩具
 アメリカと日本の映画スターを描いた双六。坂東妻三郎や長谷川一夫、ボブ・ホープやタイロン・パワーの姿が見られる。

5. スポーツ・冒険

北極たんけん双六

 昭和24年(1949)1月1日発行 『小学四年』新年号附録・作・画:飯塚羚児
 少年少女向け雑誌の新年号の附録として発行された双六。正月の代表的な遊びとして福笑いや双六が行われていた頃には、各雑誌の附録として多くの双六が作られた。
 北極探検を題材としたものだが、実際の取材等に基づいたものではなく、作者のイメージによる内容のようだ。子どもたちにとってこのような双六から、知識を得て未知の世界への想像をふくらませるものであった。

テーマ展示 変形双六/テーマ展示 正月の遊び道具

図録

開催平成28年3月
タイトル双六でたどる戦中・戦後
在庫在庫有り
目次情報第1章 時局・教育・広告を中心に
双六の歴史/社会情勢/理想の子ども像/商業広告/出征/玩具の版元/終戦前後の双六

第2章 憧れ・流行り物を中心に
旅行/乗り物・科学技術/流行り物/スポーツ・冒険/変形双六
昭和の絵双六  山本正勝
子ども雑誌の附録として製作された双六からたどる戦中・戦後 昭和館学芸部 財満幸恵

出品目録
価格1,300円

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〒102-0074 東京都千代田区九段南1-6-1 昭和館学芸部 財満・藤川
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