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【こんな資料があります! 昭和100年 全国ご当地資料紹介】

昭和館 映像・音響室では、4月29日から5月6日までのゴールデンウィーク期間中、隔日でおすすめの資料を紹介します。令和8年(2026)は、昭和元年(1926)から起算して満100年にあたることを記念し、所蔵する写真・映像・音響(SPレコード)の各資料から、全国各地その土地ならではの「昭和」の資料を選出しました。
本日は福島県にまつわる資料をご紹介します。

今回ご紹介するのは、今から94年前の昭和7年(1932)5月に福島県相馬地方で撮影された映像です。甲冑をまとった騎馬武者たちの姿が収められており、この時代には珍しく、人々の会話や馬が走る蹄音など音声も記録されています。

この映像は「相馬野馬追(そうまのまおい)」という相馬氏の先祖とされる平将門が野生の馬を敵兵に見立て兵法の鍛錬を行ったことが始まりと伝えられる千年以上の歴史をもった祭礼の様子です。

現在も続く「相馬野馬追」は、戦時下に中止や自粛を余儀なくされた祭礼も多い中、地域の方々の熱意と努力により、一度も途切れることなく開催されてきました。

軍国主義が強まる中で開催された昭和12年(1937)7月の「野馬追一千年祭」は、総大将に当時の上海陸戦隊司令官であった海軍少将植松練磨がつとめるなど、時局を色濃く反映した祭礼へと移行していきます。

昭和16年(1941)4月、「軍馬国防の国民的認識を昴揚する」ことを目的として東京の代々木練兵場で開催された「東亜馬事大会」(陸軍省および農林省主催)では、福島県相馬地方の代表が甲冑姿で野馬追を披露しています。この大会は、昭和天皇がご臨席された国家的な大会として「日本ニュース第44号」でも報じています。

野馬追は、空襲の危険が迫る中でも行われていました。昭和20年(1945)の祭礼は、当日早朝に空襲警報が発令され開催が危ぶまれましたが、警報が解除になったために規模を縮小し開催された記録が残っているそうです。

戦後は、軍事色を出さない平和な馬事スポーツの祭典として、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)から存続を許可され、昭和22年(1947)の祭礼は、騎馬武者の帯刀しない形で開催されました。

その後、昭和53年(1978)に国の重要無形民俗文化財に指定され、現在も地域の人々に大切に受け継がれています。

昭和100年の令和8年(2026)は、5月23日から25日の日程で行われるということです。

今回、ご紹介した映像は昭和館 映像・音響室でご覧いただけますので、ぜひご来館ください。

なお、戦後に撮影された「相馬野馬追」の写真など一部を昭和館デジタルアーカイブ(https://search.showakan.go.jp/)でご覧いただけます。

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