昭和館

特別企画展

開館10周年記念 記された想い ~手紙と日記に見る戦中・戦後

開催主旨

 このたび昭和館では「記された想い ~手紙と日記に見る戦中・戦後~」と題して、平成21年7月25日(土)から8月30日(日)にかけて、特別企画展を開催することとなりました。 戦時中、戦地にいる兵士とその家族が近況を伝えあえる唯一の手段は、手紙のやりとりでした。当時は検閲制度があったため、本心を書くことは難しい状況で したが、手紙を丹念に見ていくと、家族を思う気持ちだけでなく、手紙には書けない当時の情勢なども読み取ることができます。 また、日記には戦争の影響で変化していった日々の生活や、終戦後社会が復興してく様子が、そのときの想いとともに記されています。 昭和館がこれまで収集してきた多くの手紙や日記等の資料とあわせ、写真や当時を思い出して書かれた絵手紙を展示し、戦中・戦後の生活の様子、人々の想いを紹介いたします。

主催昭和館
会期平成21年7月25日(土)~8月30日(日)
会場昭和館3階 特別企画展会場
入場料特別企画展は無料(常設展示室は有料)
開館時間10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日毎週月曜日

展示構成

1.銃後の暮らし

 昭和12年(1937)に日中戦争が始まったが、人々の暮らしにはそれほど影響は感じられなかった。しかし、身近な人の出征、さまざまな統制の始まりなど、戦争の影響を受けて人々の暮らしは徐々に変化していく。

  1. 穏やかな日々
  2. 変わっていく暮らし(配給、防空演習、学徒動員)
  3. 親と離れて(学童疎開)

2.戦地と銃後をつないだ手紙

 手紙は戦地の兵士と、離れて暮らす家族が近況を伝えあうことができる唯一の通信手段だった。手紙に綴られたそれぞれの家族の姿を写真やエピソードも交えて紹介する。

  1. 戦地から
  2. 戦地への手紙
  3. 親と離れて(学童疎開)

3.終戦と戦後

 昭和19年末から東京を始めとする全国の都市への空襲が本格化し、20年3月の東京大空襲を境に住宅密集地への無差別絨毯爆撃が実施されるようになった。戦地だけでなく銃後の人々も死と隣り合わせの生活となった。
昭和20年8月15日に終戦を迎え、戦地や疎開先から家族が戻るなど、人々の生活は徐々に落ち着きを取り戻していった。しかし、なかには終戦後も戦地に 行った家族の安否が確認できない人もいた。終戦を迎えた人々の思い、そして戦後の混乱期から復興へと向かう様子を紹介する。

  1. 家族の安否(空襲、戦死の報告)
  2. 終戦
  3. 復興に向けて

4.戦中・戦後の夏休みの日記

 夏休みの宿題とされることが多い日記。戦中・戦後の子どもたちの夏休みの様子を日記等で紹介する。

5.伝え残したい記憶

 平成21年1月10日から4月30日にかけて、「絵手紙で伝えたい戦中・戦後の記憶」と題し、主催:昭和館、共催:日本絵手紙協会で絵手紙を募集した。募集期間中、57歳から91歳の方まで161名もの方からご応募いただき、応募総数は391点にのぼった。
 家族の出征、食糧事情、学校生活、空襲体験など、体験者だからこそ描ける戦中・戦後の生活、後世代の人々に伝えていかなければならない想いが記された応募絵手紙を紹介する。

イベント

1.講演会「シベリアに父を訪ねて」講師:松島トモ子(女優) 

日時平成21年8月23日(日) 14:00~15:30 ※当日13:00から昭和館1階ロビーで整理券を配布
会場九段会館 桐の間

松島トモ子さんプロフィール

 旧満洲(現中国東北部)生まれ。母に抱かれて日本に引き揚げ、3歳からバレエを学び、この事がきっかけで、映画「獅子の罠」 でデビュー、以後名子役として80本の映画に出演。雑誌「少女」の表紙を10年間一人で務める。又、童謡、ポピュラー、歌謡曲の歌手としても活躍。帰国 後、舞台・テレビ・ラジオ・講演・歌など多方面で活躍。

2.語り部の会

 戦中・戦後の生活の様子を体験者の方々にお話しいただきます。

日時平成21年8月22日(土) 14:00~16:00 ※当日13:00から昭和館1階ロビーで整理券を配布
会場九段会館 瑠璃の間

3.夏休み工作教室「絵手紙を描こう!」

 日本絵手紙協会から講師を招き、小学生のための絵手紙教室を開催します。

日時平成21年8月23日(日) 14:00~15:30 ※当日13:00から昭和館1階ロビーで整理券を配布
会場九段会館 桐の間

4、展示解説

 戦中・戦後の生活の様子を体験者の方々にお話しいただきます。

日時8月1日(土)、8日(土) 各14:00から45分程度
会場昭和館3階特別企画展会場
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