昭和館

特別企画展

ポスターに描かれた昭和 ~髙橋春人の仕事~

この特別企画展は平成29年3月11日(土)~5月7日(日)に開催され、好評の内に終了しました。

開催主旨

 このたび昭和館では、「ポスターに描かれた昭和~髙橋春人の仕事~」と題して、特別企画展を開催することとなりました。
 髙橋春人(たかはし はると)は、戦中・戦後に多くの公共ポスターを手がけた、黎明期の公共広報デザインの第一人者です。昭和39年(1964)の東京パラリンピックでは、企画委員・広報視覚媒体の制作を担当し、招致ポスター等も手掛けました。
 昭和館には遺族からポスター等160点が寄贈されており、本展ではこのコレクションを中心に、写真や関連資料を併せて紹介し、戦中から40年代に至る彼の足跡をたどります。

主催昭和館
後援千代田区 千代田区教育委員会
会期平成29年3月11日(土)~5月7日(日)

※4月10日(月)に展示資料の入れ替えを行います。
会場昭和館3階 特別企画展会場
入場料特別企画展は無料(常設展示室は高校生以上有料)
開館時間10:00~17:30
休館日毎週月曜日 (3月20日は開館、21日休館)
イベント(1)昭和の体験イベント(ポン菓子、大道芸、ちんどん屋の実演など) 3月25 日(土)・4月1日(土)・2日(日)11:00~15:30 
(2)展示解説 3月25日(土)・4月22日(土)14:00~(約45分)
チラシ「ポスターに描かれた昭和 ~髙橋春人の仕事~」チラシ   

展示構成

Ⅰ 髙橋春人の軌跡

 髙橋春人は戦前から戦中・戦後にわたり、絵画・グラフィックデザイン・写真・文芸・行政広報技術指導・評論・デザイン教育など様々な分野の仕事を手がけた。
彼がこの多岐にわたる活動で一貫して主張したのは、人々の幸福そのものであった。

  1. 略歴
  2. 1964パラリンピック

髙橋春人

髙橋透提供

ポスター「パラリンピック 東京1964」

昭和39年(1964)

高橋春人略歴
大正3年-平成10年(1914-1998)
 千葉県生まれ。東京写真学校修了後、デザイン、写真を独学で学び、 昭和11年(1936)に独立して公共啓発宣伝物の製作物に従事するようになる。16年には海軍記念日ポスター公募で海防義会賞を受賞、その後も徴兵、軍事援護ポスター等数々の作品を制作し、高い評価を受ける。 戦後は共同募金など多くの公共広報を手がける一方、後進の広報技術指導にも携わった。
 仕事の分野は非常に幅広く、絵画・グラフィックデザイン・写真・文芸・行政広報技術指導・評論・デザイン協力・漫画・絵本等多岐にわたる。

Ⅱ 戦中期

 昭和10年(1935)、髙橋はアサヒカメラ誌において短編小説での入選を果たし、その後写真誌に作品や評論を連載する仕事に恵まれる。しかし、11年には2.26 事件が、12年には日中戦争が勃発し、仕事の多くが公共啓発宣伝物(ポスターの製作)となっていった。
終戦までに「日本徴兵保険ポスター公募」で一等、「大蔵省貯蓄ポスターコンテスト」で首位など多数の公募展で受賞した。

  1. 初期の創作活動
  2. 日本宣伝協会会員として 

自作ポスターの前の髙橋春人

昭和15年(1940)
髙橋透提供

ポスター「たのむぞ石炭」

軍需省・石炭統制会

昭和19年(1944)

Ⅲ 終戦後

 戦後、髙橋の仕事は悲惨な終戦の風景を描くことから始まった。
 昭和20年(1945)3月10日の東京大空襲を体験した彼は、『私は、こうした住むに家なく、喰うに食なき不安の時代にあっても、なお、この惨憺(さんたん)たる敗戦の風景を描かずにはいられなかった』とスケッチ集『ほろびの街』(昭和23年)の中で述べている。
 しかし、戦争宣伝に関わっていた美術家は大変厳しい評価を受けることとなる。戦時体制下の国策プロパガンダを請け負い、それをいかに扇動的(せんどうてき)に伝達するかを考えた道義的責任という理由で非難されることも少なくなかった。

  1. 焼け跡のスケッチ
  2. 同胞援護活動
  3. その他

ポスター「食糧ありがたう!!」

全国農業会・社団法人農山漁村文化協会

昭和20年(1945)9月

ポスター「我身になつて不幸な同胞を!」

東京都・恩賜財団同胞援護会東京都支部

昭和21年(1946)7月

ポスター「生活も「三人掛け」の援けあひで!」

厚生省(現・厚生労働省)・都道府県・恩賜財団同胞援護会

昭和21年(1946)12月

ポスター「救え! 東北水害義捐金募集」

東京都議会・東京都・各区会・各区・八王子市・立川市

昭和22年(1947)

Ⅳ 公共広報デザイン活動

 同胞援護会(現・全国社会福祉協議会)での制作活動は、当初の共同募金・赤十字募金の合同運動を経て、赤い羽根運動へと展開していった。
 昭和24年(1949)、「共同募金・赤十字募金」のポスターは、在京ポスター作家10人によるコンペが実施された結果、髙橋の作品が採用された。同年10月には中央募金会事務局啓発部の事務を委嘱されている。翌25年、そして26年も髙橋の作品が採用となり、以来30年にわたりポスター制作を手掛ける事となる。52年には、社会福祉法人中央募金会創始30年を記念し、広報活動への多年の努力が表彰された。

  1. 共同募金・赤十字募金
  2. 日本赤十字社
  3. 老人の日・老人週間
  4. 公共作品
  5. 商業広告

ポスター「共同募金 赤十字募金」

共同募金・赤十字募金

昭和24年(1949)5月

ポスター「たちあがる力を!!」

共同募金

昭和25年(1950)

ポスター「常に備えを!」

日本赤十字社

昭和26年(1951)

ポスター「常に備えを!!」

日本赤十字社

昭和30年(1955)

ポスター「9月15日 としよりの日」

県・県社会福祉協議会

昭和28 年(1953)

ポスター「明るい老後を!」

昭和35年(1960)頃

ポスター「みんなで明るい正月を!!」

昭和36年(1961)

ポスター「日本を美しく」

財団法人新生活運動協会・都道府県新生活運動協
議会・日本花いっぱい協会

昭和36年(1961)頃

ポスター「お年玉つき年賀はがき」

郵政省・中央共同募金委員会・日本赤十字社

昭和26年(1951)

ポスター「コーヨーラジオ パロット」

光洋電器株式会社

昭和29年(1954)

イベント情報

(1)ポン菓子、大道芸、ちんどん屋など昭和の遊び等を中心としたイベントを行う。

終了しました

期日3月25日(土)・4月1日(土)・2日(日) 11:00~15:30
場所昭和館2階ひろば

(2)展示解説

終了しました

担当者による、展示解説を行う。

期日3月25日(土)・4月22日(土) 14:00~ (約45分)
場所昭和館3階特別企画展会場 ※予約不要

図録

開催平成29年3月
タイトルポスターに描かれた昭和 ~髙橋春人の仕事~
在庫在庫有り
目次情報Ⅰ 髙橋春人の軌跡
(1)略歴/(2)1964パラリンピック

Ⅱ 戦中期
(1)初期の創作活動/(2)日本宣伝協会会員として

Ⅲ 終戦後
(1)焼け跡のスケッチ/(2)同胞援護活動/(3)その他

Ⅳ 公共広報デザイン活動
(1)共同募金・赤十字募金/(2)日本赤十字社/(3)老人の日・老人週間(4)公共作品/(5)商業広告

「昭和館と髙橋春人との出会い」昭和館学芸部 萩谷茂行 

髙橋春人年譜

出品目録
価格800円

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〒102-0074 東京都千代田区九段南1-6-1 昭和館学芸部 萩谷・藤川
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